11月FOMCではテーパが開始が決定

2021年11月4日FOMCFOMC,テーパリング

11月FOMCでは事前予想通りにテーパー開始が決定されました。しかし、利上げのタイミングについては言及されずに、長期金利は期待インフレの上昇を伴って上がりました。

しかし、パウエルは来年半ばまでに最大雇用を達成できると発言しました。なら、FRBから議会から帯びているdual mandate、

①物価の安定
具体的にはインフレ率を2%に誘導する事
②持続可能な雇用の最大化
具体的には失業率を下げてや労働参加率を上げるように務める事

に基づいて考えれば、インフレ率に関しては9月FOMCで達成された(過去形)と言ってます。なら、2022年半ばに最大雇用が達成されるならば、22年半ばには利上げが始まると自動的に考えてしまいますが、パウエルはそこを否定しました。

感想としては、たしかにインフレ率は、今から通常速度に戻っても前年比のインフレ率で見れば、来年の4月頃にで下がってくるように見えます。これを確かめるには、時間が必要なのでしょうか?

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蛇足

さて、ここから下は私の趣味の時間です。

最大雇用ってどれくらいなのか?いつ達成されるのか?何を持って達成とするのか?具体的な数値がないので曖昧です。

とりあえず、失業率と労働参加率がコロナ前に戻ればだいたい達成としてもいいでしょう。それに至るまでどれくらいの期間が必要なのか数字で遊んでみましょう。アトランタFEDにはjobs calculatorというものがあり、達成したい失業率・労働参加率・期間を入力すれば、毎月どれくらいの雇用が必要か計算してくれます。

手っ取り早く見てみれば、例えば、失業率4.0%、労働参加率62.0%を8ヶ月で達成しようと思えば、毎月34万人の雇用が必要です(下図)。黒い実線が実績の値で、2021年の毎月の平均は56万人です。2019年の平均は16.7万人です。

では、最初に妥当な失業率や労働参加率を探っていき、達成したい期間を8ヶ月にしてテーパー終了までにどれくらいの雇用が生まれるの温度感を調べてみましょう。

失業率

失業率は最新の数字で4.8%です。9月FOMCで出たSEPを見れば、FRBメンバーが予想する失業率は中央値で2021年は4.8%、2022年は3.8%、23年と24年は3.5%で、長期は4.0%です(下図)。

だいたい4.0~3.5%くらいで達成と見ていいでしょうか。そもそもパウエルは22年半ばで最大雇用が達成すると言ってるので4.8~3.8%くらいでFRBメンバー的には満足なのでしょう。

9月FOMCのSEP
コロナ前からの失業率

労働参加率

労働参加率は、コロナをキッカケにしてリタイアしてしまった人が多いので、コロナ前の水準に戻ると考えるのは妥当とは思えません。コロナ前の水準ではおよそ63%で、現在は61.6%です。この2つの数字の間なら問題ないでしょう。

結果

かなり雇用が改善するシナリオとして、失業率3.5%、労働参加率63%を8ヶ月で達成しようと思った場合、74.8万人が毎月必要です。これは2021年の平均よりも高いのであまり現実味がありません。毎月の雇用は56万人よりも少なくて、20万人くらいよりも多いくらいの速度感でなければ現実味がないように思います。

次に労働参加率を1%下げて62%の場合では44.4万人になります。これなら現実味があるように思います。

SEPの予想する22年の失業率が3.8%なので、14ヶ月で失業率3.8%、労働参加率62%を達成する場合は、25.2万人です。これなら余裕で達成できそうな気がします。

なら、2024年に失業率3.5%、労働参加率63%とコロナ前に戻るようなシナリオではどうなのかと言えば、21.6万人です。リセッション入しなければ達成可能な数字に思えます。

感想

2010年代の雇用の速度感でも2~3年で雇用が戻るんだから、まずは足元のインフレ抑えた方が得じゃない?

インフレ終わってからゆっくりと雇用の回復を待ってもいいのではないかと思った。

Jobs Calculator – Federal Reserve Bank of Atlanta https://www.atlantafed.org/chcs/calculator