tradingviewで米国債金利から利上げの織り込み具合を確認する方法
注意。あまり正確な話ではないので、話半分で読んでください。あと私は経済とか金融とか素人なので間違ってたらツイッターで優しく教えて下さい。
将来の短期金利を知りたい
よく、短期金利が利上げを織り込んでいるという言葉がよく聞かれるようになりました。でも、米国債の金利だけみても自分にはどれだけ織り込んでいるのかさっぱり分かりません。
fedwatchを見れば、来年の9月の利上げ確率は90%近いです。
9月FOMCのSEPを見ればFRBメンバーの予想するFFレートは、来年(22年)は0.3%で、再来年(23年)は1.0%です。
今現在、1年債を見ると0.110%です2年債は0.400%です。なんでこの利回りになるのかさっぱり分かりません。
そこで私が最近知った、フォワードレートというモノを使ってみます。フォワードレートとは、将来のある時点を起点とする期間に適応される金利です。
具体的に言えば、「今から一年後の1年債の金利」、「今から5年後の5年債の金利」「今から2年後の3年債の金利」のことです。これらの金利は理論的に決まります。
突然ですが、次の2つの運用方法では、どちらが得でしょうか?
・今2年債を買ってそのまま2年間ホールドして運用する
・今1年債を買って1年間ホールドし、もう一度1年債を買って1年間ホールドして運用する
答えは、どちらも同じという事になるようです。これは当たり前で、もしもどちらかが得な方があれば裁定取引がされるからです。これは、純粋期待仮説という用語で調べればたくさん出てきました。
その説明のために、上の2つの運用方法を数式にしてみましょう。
$$(1年債を1年持ったリターン)\times(1年後に1年債を1年間持ったリターン)=(2年債を2年間ホールド)$$
$$(1+0.11%)\times(1+(1年後の1年債の金利))=(1+0.400\%)^2)$$
となります。数式に1が入るのは元本です。右辺が2乗になっているのは2年分だからです。これを(1年後の1年債の金利)について解けば
$$(1年後の1年債の金利)=\frac{(1+0.400\%)^2}{(1+0.11%)}\approx0.69\%$$
となります。これで今から1年後の1年債の金利がどれくらいか計算できます。
同じように1ヶ月先から見て1ヶ月間の金利とか、10年先から見て10年間の金利とかを計算できます。
これの便利な点は、市場の考えている将来の短期金利がある程度分かるという点です。
つまりは、1年債は今から1年間のFF金利の平均で、2年債はこれから2年債のFF金利の平均です。その数字から1年先の1年間の金利が分かるというのは便利ですね!
tradingviewでリアルタイムで見る。
tradingviewで見れる金利は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年、10年、20年、30年なので、それぞれの期間での金利をリアルタイムで見れるように数式をまとめました。
tradingviewのティッカーに下の表の右側の数式をティッカーに入れてenterキーを押すと見れます。時系列的にも見ることができるので面白いです。
金利 | tradingviewのティッカー |
---|---|
1ヶ月先から見て1ヶ月間の金利 | ((1+TVC:US02MY*0.01*0.166666666666)/(1+TVC:US01MY*0.01*0.0833333333333)-1)*100*12 |
2ヶ月先から見て1ヶ月間の金利 | ((1+TVC:US03MY*0.01*0.25)/(1+TVC:US02MY*0.01*0.1666666666666)-1)*100*12 |
3ヶ月先から見て3ヶ月間の金利 | ((1+TVC:US06MY*0.01*0.5)/(1+TVC:US03MY*0.01*0.25)-1)*100*4 |
6ヶ月先から見て6ヶ月間の金利 | ((1+TVC:US01Y*0.01)/(1+TVC:US06MY*0.01*0.5)-1)*100*2 |
1年先から見て1年間の金利 | ((1+TVC:US02Y*0.01)^2/(1+TVC:US01Y*0.01)-1)*100 |
2年先から見て1年間の金利 | (100+TVC:US03Y)^3/(100+TVC:US02Y)^2-100 |
3年先から見て2年間の金利 | ((100+TVC:US05Y)^5/(100+TVC:US03Y)^3)^0.5-100 |
5年先から見て2年間の金利 | ((100+TVC:US07Y)^7/(100+TVC:US05Y)^5)^0.5-100 |
7年先から見て3年間の金利 | ((100+TVC:US10Y)^10/(100+TVC:US07Y)^7)^0.3333333333333333-100 |
10年先から見て10年間の金利 | ((100+TVC:US20Y)^20/(100+TVC:US10Y)^10)^0.1-100 |
20年先から見て10年間の金利 | ((100+TVC:US30Y)^30/(100+TVC:US20Y)^20)^0.1-100 |
で、これが金利の織り込みのイメージになります。

例えば、6M~1Yは、6ヶ月先から見て6ヶ月間のFFレートの予想と考えることができます。現在は0.163%なので、22年4月~9月の間で1回利上げがあるかないか…くらいの織り込みでしょうか。
1Y~2Yは22年10月~23年10月までのFFレートの予想と考えることができます。なら、23年4月には2回くらいは利上げしているくらいの織り込みでしょうか。
正直、長期金利については使い道がありません。
例、1年先の1年間のフォワードレート
1年先の1年間を金利の予想は最近になって上昇している事がわかります。これが利上げの織り込みですね。

FFレートとの比較
前回の利上げ、利下げサイクルの時は、なんとなく1年ほど、フォワードレートの方が先行しているように見えます。しかし、将来の金利を正確に予想できるものではありません。あくまでも現在、市場が考えている予想と頭に留めておくべきでしょう。予知能力はない。

他のデータとの比較
実際にプロが使っているのは、他の方法で計算されているのでtradingviewの数字とは差があると思います。おそらく金利スワップの自分ではよく分かってない数字を使っていると思います。その数字との比較ですが、そこまで違うとは思いませんでしたし、十分使えるように思いました。


感想
実際、フォワードレートって将来の金利を予想できるかと言えば出来ないのが定説のようです。ですが、利上げ/利下げのタイミングを見る時には使わるみたいですね。
自分のこの記事は合っているのだろうか。同じことをやっているようなブログは見当たらなかったので、そこまで自信がない。
さらに言えば、この話を知ったからと言って儲かるとは思わない。
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