決算とコンセンサス予想の関係
売上高、EPS、ガイダンスの3つがコンセンサス予想を上回る限りホールドし続ける。自分はそんな宗教団体に入信していますので、調整局面でも平気な顔でTwitterを見てます。
この方法の何が素晴らしいのか、何が弱点なのかを解説したと思います。
基本は初心者向けの内容です。
目次
決算をクリアした時に何が起こる?
複数のアナリスト予想をまとめた集大成であるコンセンサス予想は尊重されます。コンセンサス予想よりも妥当な企業業績の未来予想が存在しないから、コンセンサス予想しか見るものがありません。
経済指標の発表でも予想値と実績値を比べますよね?雇用統計とかCPIとか……それと同じ事を決算でもやります。
次に、決算が発表され、コンセンサス予想を上回った時にアナリストの気持ちを考えましょう。
「決算は自分の予想よりも良かった、企業のガイダンスも上がった。自分の予想している数字とガイダンスの数字の差がちょっと大きいから、上方修正しよか!」
そんな具合で、次回以降の決算のコンセンサス予想は引き上げられていきます。決算をクリアすれば、将来のコンセンサス予想も上がります。これが決算クリアという現象です。
コンセンサス予想で業績の予想は可能

上の図はアップル(AAPL)ある時点での過去12ヶ月の売上高(青)と今後12ヶ月の売上高予想(赤)を表しています。
ちなみに、LTM = Last Twelve Months(過去12ヶ月)、NTM = Next Twelve Months(今後12ヶ月)です。
どうですか?赤は青に比べて先行していて、コンセンサス予想はきちんと未来を見通す力があると感じませんか?

同じくアップルのEPS(一株当たり利益)の予想(赤)と結果(青)です。コンセンサス予想できちんと業績の予想ができるという感覚になってくるでしょう?(洗脳)
決算によるコンセンサス予想の変化
コンセンサス予想には未来を予測する事がある程度可能である事が分かりました。次にコンセンサス予想は決算によって動く事を示したいと思います。
決算ミスしまくる企業ならば、コンセンサス予想は下がるはず!


上の図はファストリー(FSLY)の売上高予想の変化です。ファストリーは去年の秋から現在まで3回連続で決算をミスしています。今回は悪い例として登場してもらいます。
3つのグラフを見れば、2020年の10月前後をピークにして、現在までコンセンサス予想が低下していることが分かります。分かりますよね?ワカレよ!!!
良い決算を出すなら、コンセンサス予想は上がる!


上の図はクラウドストライク(CRWD)の売上高予想の変化を表しています。クラウドストライクは上場してから、決算を全てクリアしています。
全体として、売上高のコンセンサス予想は右肩上がりで、決算ごとに上昇している傾向が見えます。
以上でコンセンサス予想は決算によって動くことが示されたと思います。
少しまとめと問題点
ここまで、
①コンセンサス予想は、将来の業績を見通すことができる。
②コンセンサス予想は、決算の良し悪しによって変動する。
という事を例として確認しました。
①②が成り立つなら、決算のクリアかミスかを確認しておけば全てOKという話でございました。
もちろんこの説明では問題点ばかりで、まず例として出す数が少ないので、全ての銘柄に普遍的に言える事だとはまだ言えません。また、EPS(利益)ではなく(企業価値とは関係の薄い)売上高を中心に話を進めているのも意味不明です。
例えばCRWDの場合、EPSの動きが大きいので、決算ごとの影響はハッキリとしません。たぶん、まだ利益の出ていない企業のほとんどに当てはまる事ではないかと思います。

この決算に基づく投資の問題点
バリュエーションは無視
PER、PSR、PBRはもちろん、DCFでも配当利回りでも全部無視します。
地合いも無視
決算に基づく投資では、良い決算を出す企業のほうが悪い決算を出す企業よりもパフォーマンスが優れているという仮定に基づくので地合いは無視します。
株価と業績の関係は長期でなければ分からない。
1回の決算では企業業績の良し悪しが分かりません。連続で決算をクリアすることでコンセンサス予想も結果的に大きく動きます。1回の決算クリアでは株価にとってはノイズ程度です。
感想
あとは、決算クリアし続ける企業はずっとクリアする傾向があるというデータが欲しいけど見つからない。下みたいなデータがほしかったけど見つからなかった。

おわり
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