営業CFマージンだけに注目する

2021年5月10日未分類

営業キャッシュフロー(CF)とは、商品やサービスを売って、その販売した価格から原材料費その他諸々の費用を引き算した数字です。

そしてその営業CFを売上高で割り算したものが営業CFマージンです。

営業CFマージンという指標の素晴らしさについて語ります。

利益率が高いと何がうれしい?

例えばiphoneを作っているアップルは営業CFマージンが29%です。

営業CFマージンは15%で合格点。理想的には35%くらいの企業が素晴らしいとされています。高ければ高いほど良いです。

以下の図は、年度別のアップル(AAPL)営業CFマージンです。。これは素晴らしい企業業績であると言えます。

なら、営業CFマージンが高かったら何が嬉しいのか?

例えば売上高成長が0だったら、営業CFマージンが高かったら意味ないじゃないか!

営業CFマージンが高くても純利益が赤字だったりしたら意味ないじゃないか!

そこで営業CFマージンにこだわる理由を解説します。

ブランド力の高さが見える

アップルのOSであるmacOSやiOSはアップルでしか使えません。(裏ワザな方法は置いといて)

だからmacにはwindows以上にお金をかけてしまいがちになります。10万円するiphoneを買う理由は、2万円のHUAWEIファーウェイ)みたいな中華スマホにはない魅力があるからです。

これがアップルのブランド力でしょう。

ブランド力は利益率が高いです。

私達が値段が高くていい商品にお金を払う時『ブランドに金を払う』とか『信頼に金を払う』と言います。これは結局、何を意味するかと言うと、企業からすれば原価0円の『ブランド』に金を払っています。

そのブランド力を可視化したのが、営業CFマージンです。

例えば、アップル(AAPL)、デル(DELL)、ヒューレット・パッカード(HPQ)の3つのパソコンメーカーの営業CFマージンを比べてみましょう。アップルの売上高のうち20%は他のPCメーカーよりも割高でもOKだということが分かるのではないでしょうか?

他にはフェラーリ(RACE)、ゼネラル・モーターズ(GM)フォード(F)を比べてみましょう。先程よりもあまり差はありませんが、フェラーリの方が営業CFマージンが高いことが分かります。

参入障壁の高さが見える

業種別で見れば小売店は営業CFマージンや利益率が低いです。

暴論ですが、小売店は頑張れば個人でも経営できるので参入障壁が低いと思います。参入障壁が低いと競争が激しくて価格競争になりやすいです。だから利益率が低くなります。スマホとかパソコンを作る方が参入障壁は高い。

自分が思いつく小売業と言えば、ウォルマート(WMT)の営業CFマージンはだいたい4.5~6.5%でAPPLよりも低いです。だからウォルマートが悪いと言ってるのではなく、業種による構造の違いが見えるというのが私の言いたいことです。

少し余談ですが、次に見るのはアマゾン(AMZN)です。こちらの企業もネット通販の企業ですが、純粋な小売業ではないので営業CFマージン17%でウォルマートよりも高いことが分かります。

このように参入障壁が高ければアップルのよう営業CFマージンが高くなる。参入障壁が低ければ競争が激しくて、WMTのように営業CFマージンが低くなるということが感覚的に理解できたかと思います。

なぜ営業CFマージンにこだわるのか?

利益率なら、粗利率、営業利益率、純利益率とか色々あるけどなぜ使わないの?利益率で比べればいいんじゃないか?なんでわざわざ決算書に書いてない営業CFマージンを使うの?

その理由は、営業CFという数値が改ざんしにくい数字だからです。営業CFは商品を売っても、まだ払って貰ってない売上による利益は含まれません。つまり、実際の入金だけを見ることができます。

そこで、ヴィーヴァ・システムズ(VEEV)という企業を見ていきます。(知名度があまりない企業でゴメンナサイ)

以下の図のはヴィーヴァの四半期決算結果です。黒線は営業キャッシュフロー、青い線は純利益になります。

図から分かるように、純利益は大きくブレているのに、営業CFはブレが小さいです。この企業の売上高は1年契約などの長期契約になります。契約は1月にまとめて行います。なので1月を含む第4四半期(Q4)の決算では契約があるので売上高が多くなり、利益が出ているように見えます。しかし、実際の入金のタイミングは(おそらく)毎月ごとに入金されるので、営業CFはなだらかになります。

営業CFを見れば実際のお金の流れを見ることができるので、会計をごまかされにくく、実態をよく表していると考えています。

また、営業CFが黒字なら、前よりも資金は増えているので、無理して資金調達する必要がありません。

それゆえ、純利益が赤字であっても営業CFが黒字ならば、財務状況がキレイ(バランスシートがキレイ)である可能性が高いです。

まとめと感想

  • 営業CFマージンを同じ業種で比べるとブランド力が分かる。
  • 営業CFマージンを見ると参入障壁の高さが分かる。
  • 営業CFを見れば企業が本業で稼いだお金がいくら入金されたか分かる。
  • 営業CFが黒字なら純利益が赤字でも財務状況が健全な可能性が高い。

注意点としては、営業CFマージンが高いから株価が上がるわけありません。どれくらい安全かを示す指標として利用するべきだと思います。

若干アップルとデルを比べるのは暴論かとも思いましたけど、そこまで間違っていないと思います。

営業CFの解説は専門家ではないので若干誤解を生む表現があるかもしれません。

営業CFマージンを使うことで1番嬉しいのは、スクリーニング的な方法で利用して15%以下の企業を切り捨てれば良い企業が残る事だと思います。