リジェネロン(REGN)のコロナ治療薬がトランプ大統領に投与されたので、効果をまとめておく。

2020年10月3日投資と株REGN

トランプ大統領は現在(2020/10/03)入院中です。しかし症状は軽いとの報道が多いように感じます。突然の重篤化に備えて入院中ということですね。

そこでトランプ大統領に投与された薬である『REGN-COV2抗体カクテル』の効果をまとめておく。

これが企業側が発表した資料になりますので、これをまとめておく事が、この記事の目的になります。
https://investor.regeneron.com/static-files/a596a85e-e72d-4529-8eb5-d52d87a99070

明らかな間違いや誤解を招く表現があった場合、ご指摘いただければ修正・削除いたします。

キーポイント

入院していない患者に使うと、プラセボと比較してウイルスを減少させる。

薬の投与前に免疫が少ない患者(抗体血清反応陰性と高いウイルス量の患者)ほど効果がある。

治験前の仮説~フェーズ1/2/3に参加した2067人の外来患者のうち、275人の集団に対する結果~

人はウイルスから回復する時に免疫によりウイルスを撃退する。だから、免疫が小さい人ほど、『REGN-COV2抗体カクテル』の効果が最大になることが仮定できる。


コロナウイルスに感染した人は大きく分けて2つの集団があると仮定できる。それは、
①効果的な免疫(抗体)を持っている患者
②効果的な免疫(抗体)をまだ持っていない患者
の②つである。

①の患者は、そもそもウイルスの負荷が低いので素早く回復する。
この治験で合併症を発症する確率は、標準治療の十分の一未満で発生する。この内、免疫反応がない患者で圧倒的に発症する(10倍高いの確率)。

①と②を分けるのは、血清検査を使って分けた。①(SeroAb-Positive)の患者は②(SeroAb-Negative)の患者と比べてはるかにウイルス量が少ない。治療なしでもウイルスの検出限界に到達するのが早かった。

対照的に、②の患者はウイルス量が多く、治療を行わない場合、ウイルスの減少が遅かった。
・ウイルス量は、①が8.9×10^3 copies/mLで、②が17×10^6 copies/mLが中央値だった。
・ウイルス量が10^5 copies/mLを超えていたのは、①の患者で28%、②の患者で93%だった。

(この辺りの数字はよく分からないがウイルス量が3ケタも異なることが重要だと思う。)
抗体があると判断するには、血清検査で、「SARS-COV-2特異的IgGスパイク」、「IgAスパイク」、「IgGヌクレオカプシド」というモノが1つ以上検出されている場合である。

①の患者は123人。②の患者は113人。残り39人は、グレーゾーンなデータかデータの取得に欠陥があった。ウイルス量の測定には鼻に綿棒を突っ込むタイプの方法である(インフルエンザの時のやつだと思う)。

データ

抗体の有無とウイルス量の関係

以下の図は、オレンジが①の患者で青色が②の患者のウイルス量を示す。このデータから、抗体の有無とウイルス量の関係が比例することが分かる。


抗体の有無によってウイルス量はどれくらい変化するのかの関係

以下の図は横軸がウイルス量で、縦軸が患者の割合である。オレンジが①の患者で青色が②の患者である。①と②では、①の方がウイルス量を多く持つ割合が少ない。

つまり抗体を持っていれば、ウイルス量が減るということを示している。

症状の緩和にかかる時間の比較

①の患者は7日かかるのに対して②の患者は13日かかることが示された。このデータはプラセボだけなので、薬の効果はない。つまり、抗体の有無と回復に要する時間の関係が分かる。

ここまでのまとめ

「抗体の有無」と「ウイルス量」と「回復に要する時間」の関係が明らかになった。


治療薬の結果

患者の状態

・入院していない大人
・症状が出たのはランダム化から7日以内
・ランダム化から72時間以内に分子検査によってコロナウイルスを検出している。
・他にどんなコロナウイルス治療も受けていない。

投与するモノ

・低用量(REGN10933 + REGN10987 2.4 g IV -lower dose)
・高用量(REGN10933 + REGN10987 8 g IV -higher dose)
・プラセボ(Placebo IV)

で比較する。

測定する値

・ウイルス量の測定

・症状が緩和されるまでの時間

・投与から29日まで観察を行う

②の患者に対する高用量とプラセボの比較

投与から7日後、プラセボと比べて高用量投与した方はウイルス量が減少した(0.6LOG)。

全患者に対する高用量とプラセボの比較

投与から7日後、プラセボと比べて高用量投与した方はウイルス量が減少した(0.5LOG)。

薬を投与すれば、7日後ウイルスがどの程度減るのかのデータ

青色はプラセボで、他の色は薬の投与量毎である。この薬を使ったほうが、7日後ウイルスが減少していることが分かる。

縦軸はウイルス量で、対数をとってあるので、注意する。

投与量ごとの症状が緩和するまでの日数

全参加者で比較すると、
プラセボは9日、低用量を投与した場合は6日、高用量投与した場合は8日だった。

②の抗体が少ない患者で比較すると、
プラセボは13日、低用量を投与した場合は6日、高用量投与した場合は8日だった。

つまり、抗体を持っていない人に、抗体を与える効果があると言える?

投与した薬について

どれくらい薬は体の中に残るの?

第1相臨床試験の結果から、
REGN10933は投与してから24~25日で半分になる。
REGN10987は投与してから21~18日で半分になる。
ことが分かった


第1、2相臨床試験の結果から、目標としている血清濃度は、一人の低用量患者をを除いて保つことができた。

まとめ

「抗体の有無」と「ウイルス量」と「薬の効果」と「症状」についてまとまった結果が得られた。

そもそも、抗体を持っている人は、ウイルス量が少なく、早く回復する。

抗体を持っていない人に対して、この薬を投与すると、ウイルス量が減少し、早く回復することが示された。

抗体を持っている人に対して投与しても、割合は少ないがウイルス量が減少し、早く回復することが示された。

感想

トランプ大統領がんばれ~~