【ダイレクトリスティングの問題点】エアービーアンドビー、パランティア、アサナに乗らない方が理由

2020年8月28日

ダイレクトリスティングとはIPOとは異なります。過去にはSpotifyがダイレクトリスティングによって上場していますが、こちらの銘柄もあまり参戦できるような状態ではありません。

そこで、ダイレクトリスティングを解説したいと思います。

最初に普通のIPOを解説し、その後でダイレクトリスティングと比較をしています。そして、ダイレクトリスティングの問題点に触れています。

普通のIPOとは

IPOとは、新規に株式を公募して、取引所でも取引できるようにすることです。

例えば、上場する企業が既に100万株を発行していたら、新しくプラス100万株発行して資金の調達を行うことです。つまり資金調達の場として上場します。

この場合、上場する企業は、調達した資金を返済する必要がありません。また、上場することによって既存の株主も自由に取引することができます(ただしロックアップ期間の後)。

希薄化するので既存株主にとって損

新規に株式を発行するので、既存株主の株は希薄化します。つまり、IPOとは既存株主にとって損するかもしれないリスクを負っています。ほとんどの場合、IPOで株価が上昇することが多いので問題にはなりませんが、既存株主としてもIPOが失敗されると、将来的に売却する時に損を被ります。

ストック・オプションが重要

米国では、従業員にストック・オプションとして、株式で報酬を支払う必要があります。この場合、上場していた方がストック・オプションとしての魅力が高くなるので、従業員の報酬として株式を使い人材を確保する必要があります。これはダイレクトリスティングでも同じですが。

上場後の流れ

上場した後、既存の株主でもいずれは株式を売却します。つまり上場後の株価の変動は既存の株主もIPOした時に買った株主も同じです。だから、IPOした後に買った株主と利害関係が一致しています。

そこで、既存の株主もIPO後に買った株主も株価が高くなればいいと気持ちが同じなので、双方で上がればいいと思っています。しかし、ダイレクトリスティングの場合は少し異なります。

ダイレクトリスティングとは

ダイレクトリスティングとは、新規に株式を発行せずに既存の株主の株を直接売るという株式の公開方法です。

普通のIPOでは、既存の株主(経営者など)はある程度の期間を過ぎないと自分の持ち株を売ることはできません。しかし、ダイレクトリスティングではすぐに売ることができます。

ダイレクトリスティングする時の既存株主の心情

IPOではなくダイレクトリスティングを選ぶということは、既存の株主は売りたがっているということです。

IPOの場合、成長企業として公募し、資金調達を行うことでさらなる成長を感じさせます。しかし、ダイレクトリスティングは既に既存株主は成長するとは考えていないという理由からあまりいい印象になりません。

公募がないので個人投資家にも有利といえる

IPOの場合、上場する企業の新規に発行する株は、公募で値決めされた価格で機関投資家に渡ります。IPO後、機関投資家などから、売りが入ることで私のような個人投資家にも回ってきます。

この公募の価格が安いことが機関投資家に有利で問題視されます。

例えば、証券会社から機関投資家に公募する時、IPOするから10ドルでこれ買ってくれない?といって売ります。次に、IPOして寄り付いた時には20ドルとかで株価が跳ねる場合がほとんどです。なので機関投資家有利という問題があります。

ダイレクトリスティングではこれがありませんので、個人投資家有利とも言えます。

ダイレクトリスティングの問題点

上記のように、ダイレクトリスティングは良くもあり悪くもあるという様に見えます。しかし、結果として成功していません。その理由を解説します。

コンプライアンス問題

スラックがダイレクトリスティングした時に初値が高く付きすぎた問題があります。これはSECが調査をすることになりました。つまり、売り手が側が有利すぎるということです。異常な高値で既存株主が売り抜ける事が可能になります。

これは買い手側である私達から見ればとても恐ろしいことだと思います。株主を保護しようとしない企業の体制と見られても仕方がありませんl

売り抜けたいベンチャーキャピタルがいる

IPOとは資金調達の場です。しかしダイレクトリスティングは既存株主の売却の場です。

希薄化したところで買うのはいい買い方とも言えます。つまり、資金調達した分だけ希薄化されたのなら、その資金を使って成長してくれると感じさせます。なので公募は買いという見かたができます。

しかし、ダイレクトリスティングの場合は、ただのインサイダーの大きな売りです。

まだSpotifyとスラックしかダイレクトリスティングをしていない。

つまりは、企業の特徴として、

  • 有名企業で買い手が多い。
  • 資金調達をする必要がない。
  • 売り抜けたい既存株主がいる。

という企業しかダイレクトリスティングを利用しません。これは健全と言えるのでしょうか?

論点をまとめる

IPOの場合、強いホールド力の機関投資家がいます。しかし、公募価格で安く購入している。
IPOの場合、投資銀行が企業と投資家の間に入るので、コンプライアンスに問題がない程度にバランスをとってくれる実績がある。

ダイレクトリスティングの場合、ベンチャーキャピタルが売り抜けます。しかし、公募がないので無駄な費用を引受師団に中抜きされない。

結論

ダイレクトリスティングは無法地帯な現状がある。個人投資の買いがあっても、ベンチャーキャピタルの怒涛の売りが待っているので、売りて有利の現状がある。

証券会社が間に入り、既存株主や企業、買い手側の投資家の利益を守るようにバランスをとることが重要。

現実的に普通のIPOに参加するべきだと思う。