コロナ治療薬を作るギリアド(GILD)が下落へ
ギリアド・サイエンシズは、新型コロナ治療薬であるレムデシビルを製造しています。これは、治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から一番最初に承認されました。
点滴によって投与されて、退院までに日数を短くするという証拠があります。
詳しくは以前に記事を書きました。

目次
リウマチ治療薬フィルゴチニブがFDAから承認を見送り
フィルゴチニブは第三相臨床試験中でした。つまりこれを通過すれば、量産→販売という流れになります。最後の難関を突破できなかった結果になりました。
今年の6月には有効だというプレスリリースを出していました。
まだフィルギチニブの承認の可能性はある
現在は追加データの提示を求められています。しかし次に承認されるとすれば、1年後などかなり先になる可能性があります。
フィルギチニブによる期待分の株価は下がりました。これによりコロナ前の水準の株価まで下がりました。
承認されればかなりのグッドニュース
リウマチの患者はとてもたくさんいます。この薬はブロックバスターと呼ばれる1000億円以上の売上がある薬の候補でした。例えば、リウマチ治療薬であるヒミュラは2兆円以上の売上がありました(パテントが切れましたが)。
このようち期待値が高かったことが原因のようです。
レムデシビルの生産見通し

先月末に発表された決算では、2020年の今後の生産見通しは200万回分でした。
価格は1回300ドル程度です。なので売上高で60億ドルとなるでしょう。
同社は決算資料で通期の調整後1株利益が6.25-7.65ドルになるとの見通しを示した。これまでは6.05ー6.45ドルを見込んでいた。売上高見通しも230億ー250億ドル(約2兆4100億ー2兆6200億円)と、従来の218億ー222億ドルから上方修正した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-30/QEAU2PDWLU6K01(ブルームバーグより引用)
決算結果もガイダンスは上方修正されているので、そこまで悪い状況とは言えません。
また2021年にも数百万回分のレムデシビルを生産予定としています。
スプレータイプのレムデシビルに期待
従来のレムデシビルは入院患者に点滴をして投与するタイプのものでした。この場合、薬を売るという事に関してはハードルが高いく面倒です。
そこで、家でも使えるレムデシビルということで、インフルエンザ治療のようにスプレータイプのレムデシビルを開発しています。
同じレムデシビルでも、使う患者が違うので同じ会社内で競合となりません。また、点滴タイプは効果を発揮しているのでスプレータイプは承認されても不思議ではありません。
こちらが承認されれば、将来的にリピートビジネスとなる可能性が高いと考えられます。
ギリアドにとって何が悪いサプライズだったのか
- タイミングが突然だった
- 最近承認された薬や拒否された薬がなかった。
- 他の薬も拒否される不安が出た。
- 治験中の薬はたくさんあります。
- 今回の商品拒否は今までとは異なりきっぱりと商品を拒否されました。
- これによりFDAの承認のプロセスが変わる可能性があります。
今後の展望
ポイントになる点はレムデシビルの利益率だと思います。実際に利益としてどれだけ儲けられるの?という疑問を投資家は抱いています。
また、コロナウイルスによりHIV治療も再開されているので、HIVの薬が戻るなら問題ないと考えられます。
新薬はあまり重要ではないと考えています。あまりにも博打性が高いのでわかりません。
なので、感染症治療の王者であるギリアドなら、レムデシビルを使って利益を上げるだろうという期待で上昇するはず。これが順張りになると思います。
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